ディーゼル発電機は、三相電流が対称の状態で長期運転できるように設計されています。三相電流が対称の場合、それによって生成される固定子回転磁界は、回転子と同じ方向と速度で回転します。したがって、固定子回転磁界と回転子回転磁界は反対方向です。静止状態では、その磁力線は回転子を切断しません。三相電流が非対称の場合、逆相電流が発生します。逆相電流によって生成される磁界により、回転子の表面に電力周波数の2倍、つまり100サイクル/秒の電流が発生します。この電流により、回転子が発熱し、振動する可能性があります。固定子の三相電流の不均衡の主な原因は次のとおりです。
① 発電機の固定子相が開相です。このとき、発電機相の固定子電流は0で、他の2相の電流は増加するか等しくなります。並列運転されている他の発電機の三相電流現象は、この逆になります。
②主変圧器の低圧側の1相が断線すると、発電機の3相電流は2相で増加して等しくなり、1相は減少するかゼロになります。
③主変圧器の電圧が高い場合、中圧側または線路の1相がオープンになると、発電機固定子の3相電流は1相で増加し、2相で減少します。
④ 結線または線路の外部荷重の不均衡により発生するもの。
上記のような状況が発生した場合の対処方法は以下の通りです。
①三相電流が非対称となっている場合は、測定回路の故障か一次側回路の故障かを判断します。
②発電機の1相が断線している場合は発電機を断線させる。
③主変圧器コイルが破損した場合、故障した主変圧器を停止することができます。
④ 回線断や負荷不平衡により発電機固定子電流不平衡が規定を超えた場合は、回線三相電流計で判断し回線を停止します。
投稿日時: 2021年5月26日